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  • 老後の貯蓄、独身女性の場合はどうする?

    2018/11/29  マネーリテラシー

    老後の貯蓄について、独身女性の場合、どのくらい必要なのでしょうか?私って一生独身かもしれない…。一瞬でもそう思った方、いやいや、いつ何が起こるかわかりませんから、老後に独身である可能性がないとは言えませんよね。少しでもそういった老後の不安を減らすためにも、老後の貯蓄について考えてみましょう。今回は、独身女性の場合の老後の貯蓄についてお話しします。

    独身女性の老後の生活費は…最低月15万円!ゆとりのある老後なら20万円!

    老後とはいえ、結構生活費がかかるんじゃない…?と思われた方も多いかもしれません。昨年1年間の家計調査をまとめた、総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)平均速報結果の概要―」では、独身世帯の生活費について調査報告がされています。

    図1(引用元)総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)平均速報結果の概要―」

    上記の結果を見ると、35歳未満は150,625円、35~59歳は183,106円、60歳以上は149,552円の生活費がかかっていることがわかります。60歳以上は、若い頃の生活費とほぼ同じくらいの生活費がかかることがわかり、年齢が上がるにつれその内訳が変化している形となっています。
    ちなみに、具体的な内訳の数値も示されておりますので、以下の資料を見てみましょう。

    表1(引用元)総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)平均速報結果の概要―」

    60歳以上になると、「食費」「住居」「交通・通信」などが減っている一方、「光熱・水道費」「保健医療」が他の世代よりも支出が増えていることがわかります。仕事をしなくなったり、思うように出歩かなくなると家に居ることが多くなるため光熱費がかかったり、病気をして通院や入院したりする機会が増え医療費が増えていると言えます。
    データで示している通り、独身女性が老後どのくらい生活費がかかるかは、最低月15万円。また月によっては予期せぬ病気やケガなどで増額する場合も考えられますし、旅行や趣味を楽しみたい人もいるでしょう。そうするとゆとりをもって生活するには月5万円をプラスするとして、月20万円が必要ということになります。

    女性の平均寿命は、86.99歳と言われていますので、老後を65~90歳までと仮に想定した場合老後に必要な生活費をまとめると以下の通りになります。

    【1年間】
    最低必要額なら :15万円×1年(12か月)=180万円
    ゆとりをもつなら:20万円×1年(12か月)=240万円

    【25年間】(65~90歳)
    最低必要額なら :180万円×25年=4500万円
    ゆとりをもつなら:240万円×25年=6000万円

    公的年金への意識と年金受取額は?

    老後と言えば「年金」ですよね。この年金で老後の生活費がまかなえるのではないか…と考える人は今やほとんどいないのではないかと思われますが、実際にはどうなのでしょうか?
    「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の中で、実際の公的年金の平均受給額が記されておりますが、男女平均で国民年金では月55,244円、厚生年金では月147,872円となっています。

    表2(引用元)「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」


    表3(引用元)「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

    また、再び平成28年の総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)平均速報結果の概要―」を見てみると、およそ12万円の年金収入というデータとなっています。ですが、あくまで平均的な話。実際には国民年金だけの人だったり、厚生年金でも女性の場合、平均約10万円という現状です。

    表4(引用元)「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

    また、将来受け取り開始年齢の引き上げも想定されている上、物価上昇も考えられることから年金収入に頼るのはなかなか難しいと言えるでしょう。ちなみに、高齢独身の平均的な生活状況は以下の通りです。

    図2(引用元)総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)平均速報結果の概要―」

    また、公的年金に対する意識の調査結果(「生活保障に関する調査」(平成28年度))では、公的年金に対する考え方についてアンケート調査を行っています。公的年金で生活費をまかなえると考えている人はいったいどのくらいいるかというと、「まかなえると思う」は17.5%、「まかなえると思わない」が79.9%となり、圧倒的に公的年金だけでは「まかなえない」と考える人が多い結果となっています。やはり公的年金だけで老後の生活費を考えるのは、難しいというのが一般的な見方ですね。

    図3(引用元)「生活保障に関する調査」(平成28年度)

    老後の独身女性の年金受取額差し引いた必要額は?=最低貯蓄額!

    では、年金の受取額を差し引いた必要額が、おおよその最低貯蓄額となるわけですが、どのくらいになるのでしょうか?ただし、年金受取額(厚生年金)は月額10万円と仮定します。

    【受け取り年金額】(65~90歳の25年間)
    年金月額10万円×1年間(12か月)=120万円
    120万円×25年(65~90歳)=3000万円

    【必要な貯蓄額】(65~90歳の25年間)
    ●最低生活費(月15万円)で暮らすなら
    4500万円-3000万円=1500万円
    ●ゆとりをもった生活費(月20万円)で暮らすなら
    6000万円-3000万円=3000万円

    ちなみに、自営業の方の場合は、どうなるのでしょうか?国民年金受給額を月額5万円と仮定します。

    【受け取り年金額】(65~90歳の25年間)
    年金月額5万円×1年間(12か月)=60万円
    60万円×25年(65~90歳)=1500万円
    【必要な貯蓄額】(65~90歳の25年間)
    ●最低生活費(月15万円)で暮らすなら
    4500万円-1500万円=3000万円
    ●ゆとりをもった生活費(月20万円)で暮らすなら
    6000万円-1500万円=4500万円

    自営業の方の場合は、厚生年金受給額の約半分ですからその分貯蓄額も必要となります。ただし、あくまで目安ですので、人によって年金受給額が違いますし、病気やケガなどの入院が発生したり、介護費用が増えたりすると必要額が違ってきますので、あくまで目安と考えてください。

    老後の独身女性のための貯蓄ポイントは?

    ①「定期預金」で貯めよう~「社内預金制度」「財形貯蓄」「自動積立定期預金」を利用しよう!

    大前提として、ここまで見てきたことは、「65歳から一切働かないで貯蓄と年金だけで生活する」とした場合の貯蓄額となります。実際、65歳以上の人でも働いでいる人はたくさんいますので、パートなどで月5万円の収入があったとすれば、それほど貯蓄額も必要ないわけです。また、自営業の方の場合は、65歳を過ぎたからといって収入が極端に減るわけではありませんから、過剰な心配は不要です。
    では、「65歳から一切働かないで貯蓄と年金だけで生活する」場合、65歳までの貯蓄方法としてはどのようなものがあるのでしょうか?単純に毎月コツコツ貯めるとすると、どのくらい必要なのか以下表にまとめてみました。会社員女性を基準として、最低貯蓄額の1500万円~ゆとり貯蓄額の3000万円までを貯蓄するには、毎月どのくらい必要なのかを見てみましょう。(小数点は四捨五入)

    【65歳までの貯蓄額(およそ)】(表5)

    まず、貯蓄額はあくまで「老後」の生活のための貯蓄額なので、他の出費にあてないように「老後貯蓄専用」の口座を設けることをおすすめします。その上で、単純にこれだけの貯蓄額が必要となるわけです。毎月このくらい貯めるのが難しいという方も多いと思いますので、ボーナスを貯蓄に回すなどして工夫が必要でしょう。
    また、会社員の場合は、「社内預金制度」「財形貯蓄」といった制度を利用するものいいでしょう。どちらも給料から天引きしてくれるものになりますが、社内預金制度は、会社が貯蓄の管理をしてくれるもので、財形貯蓄は金融機関が管理してくれるものとなります。会社の倒産リスクはあるものの、通常の預金と違ってはるかに高金利が保障されていますので、会社で制度がある方はぜひ利用していただきたいと思います。
    また、上記の制度がない会社員や自営業の方は、毎月自動で積立をする「自動積立定期預金」を利用しましょう。普通預金と違って簡単におろすことができない上、普通預金よりも少し利率も高いのも特徴です。

    ②「保険」で貯めよう~「低解約返金終身型保険」「個人年金保険」

    保険と聞けは、掛け捨て型の保険を想像する方も多いかもしれませんが、「貯蓄型」の保険もあります。こういった保険をプラスすることで、保険としての機能はもちろんのこと、将来的には貯蓄としても安心を得ることができます。
    中でも、「低解約返金終身型保険」は、終身型生命保険にもなって将来的には一定額を返金されるというものですが、通常の保険料よりも月々の保険料が安く設定されているため続けやすいのが特徴です。
    また、民間の生命保険会社が行う「個人年金保険」は、老後に年金として受け取ることを目的に保険料を積み立てるものになります。個人年金保険には、将来もらえる金額がわかっている「固定金利型」や、その時の金利の状況で変わる「積立利率変動型」というものがあります。また、「変額年金」という保険会社が運用した結果受け取る金額が変動する投資信託のようなものもあります。個人年金保険といってもさまざまなパターンがあるので、どのプランがいいのかよく考えて選ぶ必要があるでしょう。

    ③「年金」を増やそう~「個人型確定拠出年金(iDeCo)」「国民年金基金」「付加年金」

    公的年金以外でも「年金」にもいろんな種類があるため、組み合わせ次第で将来受け取る年金を増やすことができます。そういった意味では将来への「貯蓄方法」の一つとも言えます。
    さて、最近注目されている「個人型確定拠出年金(iDeCo)」は、確定拠出年金法というものに基づいた私的年金制度です。「確定拠出年金」とは、掛け金を使って運用し、運用の結果次第で受け取る年金が決まるというものになります。ですので、個人型確定拠出年金(iDeCo)は、個人で掛け金を出し、自分で運用や掛け金の配分を決めるものになります。つまり、将来受け取る年金は、自分の決めた運用次第で変わるということになるわけですね。掛け金の所得控除や年金受け取りの税金控除があるほか、条件さえ満たせば誰でも利用できるため、気軽に始めることができるでしょう。
    また、自営業者の方は通常であれば国民年金だけということになりますので、その他に「国民年金基金」に加入することをおすすめします。国民年金にプラスして、年金を受け取ることができるからです。ちなみに、限度額がありますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)とも合わせて加入できるのも特徴です。
    その他にも自営業者が加入できる「付加年金制度」というものがあることをご存知でしょうか?国民年金保険料に毎月400円追加することで、将来の年金に「200円×月数」が追加されることものとなります。ただし、国民年金基金と同時に利用できないので注意が必要ですが、限度額があるものの個人型確定拠出年金(iDeCo)とは同時利用が可能です。

    【まとめ】独身女性の老後の貯蓄方法は、「定期預金」「年金保険」「年金プラスα」を早めに開始すること!

    いかがでしたでしょうか?老後は働くからいいや~と思っていても、いつ病気になってもおかしくないわけですから、必要最低限は貯蓄をしたほうが精神的にゆとりをもつことができます。大事なことは、できるだけ早く老後に向けての意識をもって貯蓄を開始すること。ちょっとずつ貯蓄をしたり、ボーナスを意識的に老後貯蓄にまわすように心がけるだけでも全く違う老後が待っています。
    また、老後の貯蓄といってもさまざまな方法がありますよね。単に預金をするだけでなく、定期預金・保険・年金を組み合わせることによって、より計画的な老後を迎えることができますし、気軽にお金を引き出したり解約ができないため貯蓄グセもつきます。独身女性の老後を明るいものにするためにも、早めに貯蓄を始めましょう。

    【引用文献】

    図1(引用元)総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)平均速報結果の概要―」
    http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gk03.pdf

    表1(引用元)総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)平均速報結果の概要―」
    http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gk03.pdf

    表2・3・4(引用元)「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
    http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/H27.pdf

    図2(引用元)総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)平均速報結果の概要―」
    http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gk03.pdf

    図3(引用元)「生活保障に関する調査」(平成28年度)

    http://www.jili.or.jp/research/report/pdf/h28hosho.pdf(p21)

    ※ 表5 筆者作成。別途エクセルシートで作成

    この記事を書いた人
    投資メディア編集部
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    日本人の投資を真剣に考えるメディア編集部スタッフ(一般社団法人日本社会投資家協会所属)です。
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