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  • ESG投資とは?世界的な投資のトレンド

    2018/12/12  マネーリテラシー

    ESG投資というのをご存知でしょうか?2006年に国連が「責任投資原則(PRI)」を提唱、投資家に対してESGの配慮を呼びかけました。これをきっかけに欧米中心に、ESG投資が拡大していきました。その波は世界的に、もちろん日本にも影響を与えています。では、改めてESGの意味、そしてメリット・デメリットについて説明していきます。

    ESG投資とは何か

    ESGとは、E…Environment(環境) S…Social(社会) G…Governance(企業統治)の頭文字を取ったものです。それぞれ環境、社会、企業統治がしっかりした企業へ投資することがすなわちESG投資というわけです。これをなぜ国連が「投資家に配慮を申し出た」のでしょうか。

    昨今、世界中の貧富の格差や地球の環境問題、雇用格差やジェンダー問題など、様々な問題が頻出しています。地球に住むものとして、これからもより良い世界にしていくためにはそれらの問題解決が不可欠になっていくでしょう。企業にとって投資家はスポンサーです。投資してもらうために企業は新しい商品を開発したりサービスを提供したりしていますが、それらがこのESGにそぐわないものだったらどうでしょうか。そういった企業に投資することは、すなわち「持続可能な社会」が実現しないことになってしまいます。

    短期的な利益だけを求めるような企業に投資するのは控え、長期的に利益をもたらす企業に投資してほしい…。それを国連が提唱したのが上記の呼びかけです。2016年の報告書では、ESG投資の割合は欧州が50%、米国は20%以上、日本はまだまだですが3.4%となっています。もちろん、どこの地域でも増加しており、これからも増える見込みです。

    もう少し詳しく見ていきましょう。まず『Environment/環境』は字のごとく環境に配慮しているかどうかがポイントです。クリーンエネルギーの使用や、CO2の排出量に配慮した取り組みをしているか、また森林破壊などが行われてないかを見ていきます。

    『Social/社会』は災害時での避難場所提供や食料等の確保、労働環境への取り組み・人権問題に関する指標です。日本でも海外から来た労働者の働く環境が劣悪だとして声が上がっていますが、こういった問題は世界各地でも起こっています。特に大きな企業は、子会社のそのまた子会社など、多くの人が関わっていますので全ての労働環境を把握するような動きが広がっています。

    『Governance/企業統治』はその会社内の環境です。情報の開示や社内政治の平等性、また女性のキャリアアップ推進やダイバーシティ化などが主に確認するところです。役員や管理職に女性が登用されているかなどが注目されるポイントになります。

    こういった各項目に配慮されているかどうかは企業のHPで確認できたり、調査会社が公表したものが確認できたりします。企業にとってはトレンドであるESGのスコアがよければ、投資家に興味を持ってもらえ、投資の機会が増えますので各社力を入れているところが増えてきています。

    日本におけるESG投資

    さて、では日本におけるESG投資や各社の取り組みはどうなっているのでしょうか。世界に遅れつつも、日本でも国民年金の運用をするGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2017年に1兆円からESG投資を始めました。3~5年をかけて国内株式投資のうち3兆円ほどまで増やす予定です。欧米では10年も前から取り組みが行われていたESG投資ですが、なぜここまで日本は遅れをとったのでしょうか。

    ヨーロッパやアメリカでは、リーマンショック以降、「単純に利益を追いかけているだけではなく、長期的に成長していける取り組み」が必要だということに気づきました。そのため価値の転換が起こり、ESGを重視した企業を目指し始めたのです。

    しかし、日本はリーマンショックで利益が減少した分、単純にコストを減らすことで補填していきました。長期的な目線ではなく、あくまで短期的にこの危機を乗り越えようとした結果、この流れに乗るのが遅くなってしまったのです。

    2017年、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)という評価機関において、日本が高い評価(AAA)を得ているのは住友化学やデンソー、オムロンなど11社。一方、最低ランクのCCCに格付けされているのは東京電力、東芝、スズキなどで、下から2番目のBランクはヤフージャパンやスルガ銀行などがある。

    日本の有名企業といえど、こういった下のランクに名を連ねるとなると、投資対象から外れてしまいます。そのため、株式は売却され株価が下落します。ESGについての取り組みがかなり遅れている日本ですが、世界の目から見てもそのような企業の価値が下がってきているのは明白です。日本企業がこれからこの評価をどう上げていくのかもポイントになってきます。

    ESG投資のメリット・デメリット

    ここまで見てきたESG投資のメリット・デメリットについてみていきます。ESG投資が浸透していくにあたってのメリットは、そもそも企業に長期的な視点での成長を見込んでいるため、売買回転率が下がること。急激な売り買いがなくなり、大幅な値動きがなくなります。そうなると短期的な利益の優先で企業が動くことがなくなりますので、社会・経済への影響がすくなくなります。

    もちろん、人権問題や環境問題の解決へもつながります。企業のワークライフバランスもよくなり、有能な人材確保、意欲向上により企業の業績も上がることが考えられます。ESGに配慮しない企業への投資は投資家、ひいては市民から見放されて経営リスクにさらされます。そのためにESGに取り組む企業が生き残り、社会全体がよくなる、というのがESGのメリットでもあります。

    逆に、デメリットを挙げてみましょう。ESGを評価するに当たって、各企業からの情報開示は不可欠です。我々はこういう取り組みをしていますよという開示がなければスコアをつけるには不十分になっていますが、まだ日本企業においてそういった情報を開示するところは多くはありません。投資家へアピールするのであればこれから開示するところは増えていくかもしれませんが、今のところ比較が難しい企業もあります。また、格付けする機関は複数ありますが、共通する基準が今のところないというのもデメリットです。

    また、長期的な見方をするために、どうしても短期にリターンが返ってくることが難しいのもデメリットといえるでしょう。それぞれ設備投資や人材育成、社内体制の整理など一気にガラリと変えることが難しい事柄であり、それによってもたらされるリスクの低減やプラス面は、必ずしもすぐ表面に出てくるわけではありません。

    短期的なリターンだけを考えていては、世界全体のトレンドと方向性が異なってしまうということも理解しつつ、バランスを取って考えていくことが重要です。

    まとめ

    いかがだったでしょうか?社会をよりよくするという理念に基づいたESG投資はこれからも世界のトレンドとなっていくはずです。多くの投資家はもちろん、企業も長期的な見方を育てつつ変化していかなければなりません。投資信託を検討・現在している方はESG関連ファンドに注目する、各企業の情報開示などを見てみるなどまずは情報を集めてみるといいかもしれません。いずれにせよ、長期的な視点からの投資が必要となってきますのでその点をふまえて投資先を選択するようにしてはいかがでしょうか。

    この記事を書いた人
    投資メディア編集部
    投資メディア編集部

    日本人の投資を真剣に考えるメディア編集部スタッフ(一般社団法人日本社会投資家協会所属)です。
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