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  • 決算書の読み方のポイントとは!

    2019/06/30  マネーリテラシー

    企業に投資する際、やみくもに気に入ったところに投資するわけではありませんよね。その企業がどういった利益を出し、これから成長していくかどうかを見極める必要があります。
    その見極めに役に立つのが企業の「決算書」です。よく聞く言葉かもしれませんが、数字が並ぶ決算書のどういったところに注目してみていけばいいのでしょうか。

    決算書とは

    そもそも決算書とは一体どういうものなのか説明していきましょう。

    企業というのは、1年ごとに決算を迎えます。この決算とは「この1年、この企業はどういう経営をし、どれくらい利益が出て、どれくらいのお金が残っているのか」を明確にすることを言います。この会社がどういう事業をしているのか、これから引き続き投資をしていく、もしくは始めるためには投資家にとっても何か判断基準が必要ですよね。企業がどれくらい利益を出しているか、借り入れをしているかなどが決算書で見えてきます。

    また、決算書を参照するのは投資者だけではありません。企業が新たに銀行などから借り入れをしたいとき、その銀行もこの企業が返済をする能力があるか、安全かどうかの判断をしなければなりませんよね。そのときに、「今会社はこういう状態ですよ」と証明できる役割もあります。決算書は、いわばその企業の1年の成績表ともいえるものです。もちろん、その1年の成績だけでは判断がつかない場合もあります。長期に渡って成長性を確認したいならば、5年くらいの決算書を見ていくといいでしょう。

    さて、決算書は財務諸表とも呼ばれ、主に「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」の3つが重要とされています。それぞれに見るポイントがあり、「現在の会社の資産と負債」「この1年の売り上げや利益」「どのくらい現金があるか」がわかるようになっています。次からそれぞれのポイントを見ていきましょう。

    簡単に決算書を見るポイント

    決算書を読むにはいくつかコツがあります。先程あげた3つの表ですが、ただ数字を見ているだけでは何をどう判断していいかわかりませんよね。それぞれどこの数字に着目していけばいいのでしょうか。

    損益計算書

    損益計算書は、この1年で会社が何に費用を使い、どれだけの売り上げが上がってどれくらいの利益を得たのかを知ることができます。
    「利益」には大きく5種類あり、(1)売上総利益、(2)営業利益、(3)経常利益、(4)税引前当期利益、(5)当期利益が記載してあります。最終的な利益は(5)当期利益で確認できるのですが、これだけでなくチェックするポイントはあります。

    簡単に説明すると、(1)の売上総利益は売上から原価を引いた、いわゆる「粗利」です。そこから広告費や家賃、給与などの経費を引いたものが(2)営業利益、さらに本業以外の収益や費用(株の売却益・損など)をまとめたのが(3)経常利益です。そこから、その年に特別に発生した固定資産や株の売却益、災害などの損失をまとめたのが(4)税引前当期利益、法人税を引いて最終の利益が(5)当期利益となります。

    (5)当期利益がプラスになっていても、(3)経常利益がマイナスだとどうでしょうか。その場合、その年の特別な利益があったからこそその年は黒字になっているだけということが読み取れます。

    また、(1)の売上高は売掛金がまだ未回収でも売上と計上されてしまうので、実際に現金が入ってくる時期にズレが生じます。そうなると資金繰りが厳しくなっていることに気づかないケースもあり、注意が必要です。

    ポイントは、それぞれどこでプラスが出て、どこで大きなマイナスが出ているかをチェックすることです。本業なのか、副業なのか、またはその年だけ大きな増減が出ていないか、その理由はなんなのかを推測するための資料として活用しましょう。

    貸借対照表

    一方、貸借対照表とは「現状、会社が持っている資産と負債」をひと目でわかるようにまとめたものです。「資産」とはいわゆる現金や預金、売掛金や有価証券と土地や建物、機械など長期間保有する固定資産があります。一方「負債」は決算から1年以内に返済しなければならない支払手形や買掛金、未払い金、これから1年以上かけて返済する負債があります。

    それらをプラスマイナスして、残ったものが「純資産」、いわゆる「自己資本」と呼ばれるものです。この自己資本の比率が大きければその会社は良い財政状態といえるでしょう。一般的には50%を超えると安定しているといえるようです。ただし、株主の出資のみで自己資本が充実し、金融機関との取引実績が見られないと融資が受けられないという危険性もあるようです。

    貸借対照表の着目ポイントは、「その会社に支払い能力がきちんとあるか」というところです。固定資産以外の「流動資産」といわれるものより流動負債のほうが多いと、支払いが難しくなるというのはわかるでしょう。支払いに対して余裕をもっておけるほうがもちろんいいので、

    流動比率(%)=流動資産÷流動負債

    この数値が130~150%を維持できているかどうかを目安に判断しましょう。

    貸借対照表では、この1年の資金調達をどこからしてきたか、その資金をどう保有したか・運用したかをチェックして企業の健全性を見極めていくのがポイントです。

    キャッシュフロー計算書

    「キャッシュ」はいわゆる現金ですね。この書類では「今、会社にどのくらい現金があるか」を表しています。損益計算書でも触れましたが、いくら売上が上がってもそのお金が回収できなければ会社の資金繰りは悪化するばかりです。キャッシュフロー計算書で現金がきちんと回っているかをチェックできます。

    キャッシュフローには大きく3種類あり、(1)営業キャッシュフロー、(2)投資キャッシュフロー。(3)財務キャッシュフローとなります。

    (1)営業キャッシュフローは、会社が普段の営業で得たキャッシュ量をあらわします。この数字で、この会社が本業でどのくらいキャッシュを生み出せるのかがわかります。(2)の投資キャッシュフローは事業を維持するために必要な資金をあらわします。固定資産の取得や売却の数字がここに入り、(3)の財務キャッシュフローは資金が不足したときにどのように資金調達したかが入ることになります。

    まずは(1)の営業キャッシュフローがプラスになっているかをチェックしましょう。売上高が高く、利益がプラスでもこのキャッシュフローが赤字だと資金繰りが悪化する可能性があります。

    また、(2)の投資キャッシュフローで適切な設備投資ができているかも確認できます。資金繰りが苦しく、設備への投資があまりできてないようなら注意が必要です。ただし、何年かに1度大きな投資をするという企業もありますので、前後で5年ほどの決算書をチェックしてみるといいでしょう。固定資産が増えると現金は減りますのでマイナスとなり、減るとプラスになります。減るということは固定資産を売って現金を手にしているという意味になるからです。このあたりを混同しがちなのでしっかり理解しましょう。

    (3)の財務キャッシュフローはどのように借り入れをしたか、また借り入れしたお金をきちんと返していっているかがポイントです。ここがマイナスだと順調に借入金を返済しているということになるので、きちんとチェックしましょう。

    (1)と(2)をあわせて、会社が自由に使える「フリーキャッシュフロー」と呼ばれます。ここをあわせてゼロ以下であれば、資金が不足していますので(3)の財務キャッシュフローで資金調達をしなければなりません。(1)営業キャッシュフローを増加させ、(2)投資キャッシュフローの値を小さくしていく方向にシフトします。投資をゼロにすることはできませんが、いつのタイミングで設備投資をするのか、またどういったものに投資するのかをうまくコントロールできているのか?が見極めるポイントです。

    決算書の読み方のポイントまとめ

    決算書は、全ての数字を読み解こうとするのではなく、それぞれの表があらわしている項目をよく理解することが重要です。投資対象としてみるのであれば、損益計算書で本業の利益がきちんと出ているか、キャッシュフロー計算書で赤字になっているところがないかをチェックするのがポイントです。逆に、会社の業績があまり芳しくなく、問題点を見つけたいのならば営業が足りないのか、借り入れや設備投資が大きすぎるのかなど目星をつけながら読み解くことが重要です。

    成長性を見たいのか、現状を見たいのか、または問題点を探したいのか。どこをポイントにするかで着目点が変わっていきますので、それぞれの表のポイントをつかんで企業の決算書を読み解いていきましょう。

    この記事を書いた人
    投資メディア編集部
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    日本人の投資を真剣に考えるメディア編集部スタッフ(一般社団法人日本社会投資家協会所属)です。
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