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  • 消えた年金問題とは何だったのか?その後の対応はどうなっている?

    2019/03/27  マネーリテラシー

    老後に支払われる積立式の「国民年金」。ほとんどの人が年金は納めているはずですよね。
    2007年、政権交代のきっかけともなった「消えた年金問題」。みなさんは覚えているでしょうか?記憶にあっても、まだ自分には関係なかったりぴんとこなかったりする方もいるでしょう。消えた年金はその後一体どうなったのか、どういう問題だったのかを改めて説明していきます。

    消えた年金問題とは

    さて、改めて「消えた年金問題」とはいったいどういう問題だったのでしょうか。順を追って説明していきましょう。

    そもそも、企業がつくる厚生年金というものが昭和17年に生まれました。国民年金は昭和36年に生まれます。もちろんその当時はコンピュータやクラウドシステムも何もありませんので、年金加入者の情報は紙で管理されていました。

    それが、年を経るにつれてパンチカードや磁気テープ、コンピュータなどで管理されるようになり、加入者が増え煩雑になったところで、データを統合しよう、ということになりました。昭和61年、年金記録はひとつに統合されることになり、平成9年には国民一人ひとりが「基礎年金番号」という番号を持つことになりました。以降、年金加入者はこの番号で管理されることになるのです。

    番号を照会するだけで、自分の年金情報がすぐにわかる。便利でいいシステムでしたが、実は大きな誤算がありました。それ以前のシステムや紙の台帳だったころの記録がうまく反映されてない、ということが2007年に発覚したのです。誰の記録かわからないものがなんと5095万件もありました。かなり大きな数字ですよね。

    いったいなぜこんなことが起こったのかというと、結婚したのに台帳が旧姓のままだった、名前の読み仮名が間違っている、生年月日が違う、入力ミス…などなど、いわば「凡ミス」のような失敗でこれだけの不備が出てきてしまったのです。もちろん、そんな失敗は誰でもあること。重要なのは、これだけの不備を誰も「それほど大変なことと思わなかった」ということです。

    これらが発覚し、原因も公表されたことで国民から「ずさんだ!」との批判が起こり、旧社会保険庁が解体、今の日本年金機構に年金管理を移行します。これらの記録は、昔から年金を納め続けている年代の人に起こっていることが多く、もらえるはずだった年金が実はもらえてなかった、など多くの不満が出ました。

    また、そういった記録の不備もありましたが、当時の会社ぐるみで年金を着服しているようなところもありました。給与から年金分天引きされているのにも関わらず、実際は社会保険庁に年金が支払われてない…というケースです。中には、厚生年金に入っていると見せかけて脱退したけれど、そのまま年金の金額だけは会社でもらっていた…など、社会保険庁の管理のみの問題でもありませんでした。

    問題が発覚したあと、各党は協力して消えた年金の解明に急ぎました。2008年から2009年にかけて、各加入者に「ねんきん特別便」という手紙を送付し、今現在の自分の年金支払い記録が合っているかどうかを確認するよう促しました。

    そしてその後4年ほどかけて、記録のない年金額を修正していきました。しかしながら、修正できたデータは230万人ぶん。すでに年金をもらっている人たちに対しては一時金という形で足りない年金を支払いました。なんとその額は1兆6000億円!想像もつかない額ですよね。

    データを修正し、解明し、一時金を支払い…ある程度の解決宣言がなされたのは2015年3月。解決といっても、わからなくなっていたデータが解明されたのは3012万件、年金の受給はうち1771万件。本人がすでに亡くなっていたり、過去の一時金で補填されていて権利がなかったりするものは1241万件でした。それ以外の2000万件ほどの記録は、結局未解決のまま終了宣言とされてしまったのです。

    消えた年金問題のその後

    一応の決着がついた「消えた年金問題」ですが、その後の対応を見ていきましょう。上記のようなずさんな管理をしていた社会保険庁は2010年に解体。これまでの公務員が管理するのではなく、新しく民間にて管理していこうという動きがあり、「日本年金機構」が設立されます。

    なぜ、このようなずさんな管理がされてきたかというと、「基本的には、年金は本人が請求するものだから、間違っていれば報告されるだろうから、その時に訂正しよう」という管理体制だったからです。ですが、天引きされている年金をずっと事細かに覚えていたり記録していたりする人はほとんどいないのではないでしょうか?本来なら、管理したり運用したりする物がきちんと記録していくのは当たり前のことです。まして、当時は国の公的機関だったわけですからなおさらです。

    現在は、日本年金機構が管理を行っています。当時のようなミスがないよう、1年に一回「年金定期便」や「年金特別便」を一人ひとりに送付し、自分が支払った年金を確認するようになっています。35歳、45歳、59歳に送られてくる定期便では、今までのすべての年金記録が確認できるようになっています。送られてきた際には隅々まで必ずチェックするようにしましょう。特に、年齢の高い人ほど間違いのある確率が高くなります。

    自分の年金記録を確認するには

    現在では、さまざまな形で自分の年金記録を確認することができます。窓口や郵送、電話などで問い合わせれば確認できるのはもちろん、今は「ねんきんネット」というサイトで簡単に確認できます。

    ねんきんネットはパソコンやスマートフォンでアクセスできます。基礎年金番号と、申し込みで得たアクセスキーさえあればすぐ使用でき、これまで支払った年金額、将来どれくらいの年金がもらえるかがすぐ確認できます。記録の漏れや誤りがあればすぐに連絡しましょう。

    そのほかにも、日本年金機構からのお知らせ等も一括でいつでもどこでも確認できるので便利です。このように、これ以降年金に関して漏れ等がないよう、機関としても加入者に積極的に確認してもらうように努力を続けています。

    年金は負担者が減り、少子化に歯止めがかからない限りどんどん額が減っていくという問題はありますが、しっかりと退職後の対策をするためにも、自分が支払った額やもらえる額は積極的に確認していくべきです。

    まとめ

    消えた年金問題は一応の解決ということになっていますが、実際は不明記録がかなり多く残ってしまっていました。今となっては全てを解明するのは難しいでしょう。しかし、これより先の年金に関してはそのようなことがないよう、日本年金機構が努力を続けています。機関に投げっぱなしにせず、自分でもしっかりとねんきんネットなどで納付金額、もらえる金額を確認して計画を立てていきましょう。

    この記事を書いた人
    投資メディア編集部
    投資メディア編集部

    日本人の投資を真剣に考えるメディア編集部スタッフ(一般社団法人日本社会投資家協会所属)です。
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