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  • リフレーション政策は失敗だったのか?そもそもリフレ―ションとは?
  • リフレーション政策は失敗だったのか?そもそもリフレ―ションとは?

    2019/05/28  マネーリテラシー

    リフレーション、もしくはリフレ政策という言葉をご存知でしょうか?
    バブル崩壊から、日本はデフレーション、いわゆるデフレに悩まされてきました。その状態を脱却するために、「アベノミクス」と呼ばれる経済政策において「リフレーションを目指す」、「リフレ政策」を採られてきました。さて、その政策は成功だったのでしょうか。そもそもリフレーションとは何か、ということから見ていきましょう。

    リフレーションとはどういう状態?

    物価がどんどん下がり、それによって私たちがもらう賃金も下がり、経済がどんどん停滞していくのがいわゆるデフレ(デフレーション)です。逆に、物価も上がり、それに伴って賃金なども上がっていくのがインフレーションです。適度なインフレは良い動きですが、あまりに一気にインフレが起こると、現状の貨幣の価値がほとんどなくなってしまうこともあります。2つの経済の動きは、どちらに偏ってもうまく成り立ちません。

    バブルのはじけた日本は、一気にデフレの波に飲み込まれました。土地の価格は下がり、モノが売れなくなり、企業は賃金を上げるのを止めてしまいます。それによってモノの価格はどんどん下がりますが、それでも売れなくなります。悪くなった景気をなんとか上向きにしようと、政府は預金の金利を下げてお金を回そうとしましたが、思った以上にバブル崩壊の影響は根強く、効果はなかなか上がりませんでした。

    リーマンショックなども相まって日本のデフレは長く続きました。そこで、第二次安倍内閣が『アベノミクス』と銘打たれた経済政策のひとつが「リフレーション」です。

    リフレーションは言ってみれば「ゆるやかなインフレーション」です。デフレの状態を脱出するために、一気にインフレを起こすのではなく、様々なリフレ政策を打ち徐々にインフレを起こしていこうというのが狙いです。

    日本のリフレーション政策

    さて、そのアベノミクスで行われたリフレ政策とはどのようなものだったのでしょうか。

    お金が市場に出回るには、「預金する」よりも「投資」「消費」に意識を向けさせることが重要になってきます。そのため、中央銀行はそれぞれの金利を減らして「預金してもお金は増えないよ」という施策を進めます。しかし、バブルの崩壊やリーマンショックの影響は大きく、みんな「将来のためにお金を残しておく」という意識が出来上がっていました。

    そのため、どんなに銀行が金利を下げてもお金が市場に出回らず、ついには金利が最低まで下がっても景気が上向きにならないいわゆる「流動性の罠」に陥ってしまいました。そこで、将来のインフレ目標を2%と掲げ、「これだけ物価が上がるよ」と市場に期待させて実際にインフレを起こしていこうとします。これがリフレ政策、「インフレターゲット」と呼ばれるものです。

    数年後に〇%のインフレを起こしていくというメッセージ、さらに積極的な金融緩和を行い、実際はまだインフレは起こっていませんが、そのようなイメージを持たせ、信用を与えて「期待インフレ率」を上げていきます。これはあくまで予想値ですが、実際のインフレ率もこの期待値と同じような動きをするため、期待値が上がる=実質インフレが起こるという予測で動いているようです。

    リフレ派と反リフレ派

    さてこのリフレ政策ですが、実際の金融緩和等は行っていくものの、期待値を上げるだけで果たして本当にインフレが起こっていくものでしょうか。これまでにそういった傾向があるとはいえ、実際に起こるかどうかは懐疑的です。また、予測以上にインフレが起こる、またバブル景気のような急激なインフレが起きたり、ほかの弊害を伴ってしまったりすることもあるかもしれません。

    そういったリフレ政策に懐疑的な見解を示すのが「反リフレ派」です。反リフレ派は、金融政策に「これさえやればいい」というような策はなく、リフレ派が進めるインフレターゲットのような施策だけで劇的に事態が解決できるわけではないというのが主張です。施策事体を批判しているのではなく、「それだけではなく、もっと他の事象とバランスをとって考えていかなければならないのでは」というところが論点となっています。

    リフレ派が進める政策は確かにわかりやすく、期待感を抱かせるものではありますが、それだけで今の状態がすべて解決されるわけではありません。単純な金融緩和や目標を掲げていくだけではなく、人々が経済をまわしていくために必要な保障や社会政策などトータルで問題を解決していくべきです。

    現在は、日銀もリフレ派に迎合しているような施策をとっていますが、どちらの主張が正しいのかは一概に言えません。インフレが起こるから景気がよくなるのか、景気が良くなるからインフレが起こるのか、すべてがパターン化できるわけではないでしょう。

    金融政策ももちろんですが、結局お金をどのように得てどのように使うかは社会の動きによっても異なります。国内の社会的な要因も含め、総合的にリフレーションを起こしていくようにすべきではないのでしょうか。

    まとめ

    バブル崩壊、リーマンショック以後、低迷する経済から脱却しようとアベノミクスとして掲げたのがいわゆる「リフレ政策」でした。多くの人が今までの危機感から資産を貯める傾向にあり経済が思ったように回らなくなっているところを、目標インフレ率を明確に打ち出し、期待感を持たせることでリフレに持ち込もうとしたのです。そういった金融政策のみを重要視するリフレ派と、ほかの諸問題とともに解決すべきだと主張するのが反リフレ派でした。

    どちらが正しいか、またリフレ政策が失敗だったとは現状では言えません。効果はこれから出てくる可能性もありますし、また反リフレ派が言うように金融意外の問題が影響する可能性もあります。ここ数年、日銀はリフレ派を迎合する形で施策を進めています。失敗か、成功かは賛否両論ありますが、まだどちらともいえないというのが現状ではないでしょうか。

    この記事を書いた人
    投資メディア編集部
    投資メディア編集部

    日本人の投資を真剣に考えるメディア編集部スタッフ(一般社団法人日本社会投資家協会所属)です。
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