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  • ROE(自己資本利益率)とは?どれくらいを目安にしたらいい?

    2019/03/04  マネーリテラシー

    株式投資をする際に、好きな企業になんとなく投資する…ということはあまりありませんよね。どうしても応援したい企業ならともかく、一般的にはその企業の経営が順調か、成長しているかなどさまざまな角度から見て決めますよね。今回は、企業の評価指標のひとつであるROE(自己資本利益率)の解説をしていきます。

    ROE(自己資本利益率)とは?自己資本比率とどう違う?

    ROE(自己資本利益率)とは、自己資本、つまり株主が出してくれたお金を使って、どれくらい利益を上げたか?の指標です。一株あたりの利益と一株あたりの株主資本で計算されます。単純に、株主資本でどれだけ儲けられたか?の指数なので、ROEが高ければ高いほど利益を効率よく上げているということです。

    一方、よく混同されるのが「自己資本比率」や「ROA(総資本利益率)」です。「自己資本比率」はその企業の総資本の中で、どの程度が自己資本なのかというのを示す指標です。総資本には、固定資産や流動資産、負債なども含まれますが、誰かに返却するようなものでない資産は自己資本(純資産)となります。この自己資本が多ければ多いほど、返済の必要ない資本を元手に事業を行っているため安定した経営ができます。それを数値で表したものが「自己資本比率」です。

    「ROA(総資本利益率)」は総資産に対してどれだけの利益が生み出されたかを示します。負債なども含めた全ての資産を指しますので、こちらも「効率よく利益を上げているか」という点ではROEと同じです。

    ROEは株主が出した資本に対しての利益ですので、単純に株主から見た利回りということになります。したがって、ここで出てきた用語はすべて、その企業が「健全な経営ができているか?」の指標といえます。しかし、投資をする際に気になるのは「株主が出した資本で健全に利益が出ているか」の指標となるROE(自己資本利益率)となるでしょう。

    ROEの計算式は?どれくらいの数字を目安にすべき?

    ROEの計算式は、
    1株あたりの利益÷1株あたりの株主資本
    となります。それぞれの数字の出し方ですが、

    1株あたりの利益=当期純利益÷発行済み株式数

    1株あたりの株主資本=株主資本÷発行済み株式数

    となります。
    こうして出された数字が高ければ、資本の使い方が効率的、かつ利益を上げているということで経営能力が高いという見方になります。単純に、どれだけの株(資本)を使ってどれだけの利益が出たか?という比率が出ます。もちろん、高ければ高いほど優良企業ということができます。なかなかありませんが、50%を超えるところもあります。ちなみに、多くの人が良く知る企業でいうと、株式会社ZOZOのROEは57%を超えています。(2018年12月現在)もちろん、利益がマイナスだったり債務超過だったりする企業はROEがマイナス数値で表示されます。業績がよくなかったり、負債が多すぎたりする場合は大手企業でもマイナスが出ます。

    しかし、どの企業もそんなに高いわけではありません。日本国内の目安としては、一般的に8%以上だと投資を検討してもよいようです。また、10%を超えると優良企業と言われます。ただし、業種によって違うこともありますので注意が必要。海外の投資家などは特にROEに注目していることもあり、ROEが高いほど大口に買われやすいということもあります。海外では特にROEを重要視する傾向にあり、もともと日本の企業は重要性が低かったのですが、近年企業努力によってROEを挙げるところも増えてきました。

    自己資本利益率が高い企業が優良なのか?

    さて、ではROEが高い企業に投資すればいい、というわけではありません。いくら自己資本での利益が多く出ていても、それ以上に負債がかなり多かったら、そこの経営は順調だといえるでしょうか?投資対象としての企業は、もう少しさまざまな指標を見る必要があります。

    そのときに必要な情報が、さきほど比較したROAです。ROAは総資産から見ますので、純資産だけでなくて負債も含まれます。ROEが高くても、ROAが低いということは総資産で負債のほうが割合多すぎる可能性がありますよね。一般的に、目安としては5%以上が投資対象となります。

    理想としては、ROE・ROA共に高い企業を選定したいところです。また、現在の数値だけでなく、これまでの数値の推移も比較していきましょう。徐々に上がってきたものなのか、下がってきているものなのか、それを見るだけでもリスクは減るのではないでしょうか。

    他にも、株の割安度を測るPBR(株価純資産倍率)でその株の割安度がわかるのですが、PBRはROEとPER(株価収益率)をかけたものですので、たとえPBRが割安でいいと思ってもROEやPERが低い可能性もあります。いくら割安だといっても、収益が低下していては投資対象としては除外したいところですよね。

    ROEを向上させるには、売上高純利益率を上げる、総資産回転率を上げる、財務レバレッジを上げる、の3点が考えられます。ただし、財務レバレッジは自己資本比率の逆数なので、借金をすればするほど財務レバレッジが大きくなるのです。ということは、ROAが相対的に下がっていくことになります

    もしくは、自己資本を減らすということになるので、会社に資産を溜め込まず株主還元したり、利益を増やしたりする必要があるので収益力の向上、株主配分などのリターンにまわる可能性があります。日本の企業のROEは8~9%前後ですが、欧米の企業は15~20%もあります。海外投資家からは、もっとROEを高めるように求められていますが、一気に上がることもありませんし、多くの企業がその水準まで行くにはかなりの企業努力が必要なようです。

    業種別の自己資本利益率

    投資する視点での、自己資本利益率(ROE)の目安は10%以上と前述しました。でも、自己資本を使っての利益率になりますから、当然業種や業界によって、この指標は傾向値が出るはずです。そこで、業種別の自己資本利益率について、まとめてみました。

    こちらは、経済産業省の調べた平成27年度と平成28年度のデータになります。この調査は、毎年実施している企業活動の実態を明らかにするもので、全国3万以上の企業へのアンケート調査から出たものです。従業者50人以上かつ資本金又は出資金3,000万円以上の企業を抽出しているそうなので、比較的大きな会社が多いです。

    自己資本当期利益率 平成27年度 平成28年度
      鉱業、採石業、砂利採取業 -2.9 2.4
      製造業 7.1 7.6
      電気・ガス業 9.5 5.5
      情報通信業 8.6 8.9
      卸売業 6.3 8.2
      小売業 7.2 6.6
      クレジットカード業、割賦金融業 5.4 7.7
      物品賃貸業 8.1 8.1
      学術研究、専門・技術サービス業 8.9 8.2
      飲食サービス業 7.9 6.7
      生活関連サービス業、娯楽業 6.5 7.2
      個人教授所 16 9.8
      サービス業(*) 14.3 12.9
    合計 7.2 7.6
    ※経済産業省調べ 「平成29年企業活動基本調査速報

    この結果をみると、自己資本当期利益率(平成28年度)は、全業種の中で、「サービス業」(ROE12.9%)がもっとも高くなっています。次に「個人教授所」(ROE9.8%)、「情報通信業」(ROE8.9%)、が続いています。

    ちなみに、中小企業の自己資本当期純利益率(ROE)は、中小企業白書のデータとして業界別に紹介されています。中小企業の場合、分母である自己資本が少ないため、全体的に高く出る傾向があります。

    中小企業の経営指標(2016年度) 自己資本当期純利益率 (ROE)
    全業種 9.34%
    建設業 10.93%
    製造業 8.56%
    情報通信業 9.19%
    運輸業、郵便業 12.18%
    卸売業 7.61%
    小売業 11.66%
    不動産業、物品賃貸業 8.47%
    学術研究、専門・技術サービス業 12.47%
    宿泊業、飲食サービス業 14.91%
    生活関連サービス業、娯楽業 8.33%
    サービス業(他に分類されないもの) 9.81%
    ※自己資本当期純利益率(ROE)=(当期純利益÷純資産(自己資本))×100 2018年版「中小企業白書」より

    ということで、大企業と中小企業の業種別のROEをご紹介してみました。このような業種別のデータを参考に、評価するのも面白いかもしれません。

    まとめ

    ROEの解説とその計算式、重要性などについて説明しました。投資に関わる数値は色々ありますが、もちろんROEだけでなくさまざまな数値を総合的に見る、また過去のデータとも照らし合わせるというのが重要です。
    ここに出てきた、ROAやPBRと共に企業の数値をしっかりと見て検討しましょう。各数値は株価をオンタイムで繁栄しているようなサイトで見られるほか、会社四季報でももちろん閲覧できます。ランキングなども掲載されているので参考にチェックしていきましょう。海外投資家の目と同様、国内でもROEの数値が重要視されてきていますので各企業のこれからの数値上昇にも期待したいですね。

    この記事を書いた人
    投資メディア編集部
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