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  • サブプライムローンとは?問題や原因をわかりやすく解説

    2019/05/28  マネーリテラシー

    2007年、アメリカで住宅価格の下落によりサブプライムローンが不良債権化したことで起こったリーマン・ショック。この問題はアメリカのみならず、世界同時株安が重なったことで世界的な金融危機が起こりました。日本でもその影響が大きかったのも記憶にあるでしょう。この、原因となった「サブプライムローン」。当時、かなり頻繁に聞いた用語ですが、これはいったいどういったもので、何が問題になったのでしょうか。改めてこの用語について解説をしていきます。

    サブプライムローンとは

    サブプライムローンとは、「サブプライム=優良(プライム)より下位(サブ)」である層へのローン貸付です。住宅のみならず、ローンを受けるには通常審査がありますよね。収入や資産など、総合して「この金額を数年、数十年かけて返せる見込みがあるか」というのを判断します。もちろん、収入が不安定な人や、資産を持ってない人はローンが通りません。しかし、自分の家を持ちたい!という人は当時アメリカにたくさんいました。

    そこで、通常の審査には通らない人向けのローンを作り、住宅を売ることにしました。それが「サブプライムローン」です。当時アメリカでは住宅の価格はどんどん値上がりしていました。このローンでは、低所得者でも支払いできるように最初の期間は返済金額が低く設定されていますが、年数が進むと高くなっていきます。そこでその世帯の年収が上がっていればそのまま返済し続けてもらい、厳しいようなら値上がりした住宅を担保にお金を回収する、という目論見でした。

    あくまでも、「住宅の価格が値上がりし続ける」という前提のもとにサブプライムローンは設定されていたのです。しかし、日本のバブル景気が続かなかったのと同じように、住宅の価格上昇はストップしてしまいます。そうすると、金利が上昇し、そもそも低所得者だった住宅購入者はどんどんローンを払えなくなる人が増えていきました。

    サブプライムローンの証券化

    さて、このサブプライムローンは、多くの人が投資対象にできるよう「証券化」され、様々な金融機関に売られていました。

    「証券化」とは、ある資産を細かく切り分け、それを投資家に売って資金を調達する手段です。簡単に説明すると、住宅ローンを銀行が100件で10億円ぶん持っているとします。そのローンを証券会社が10億で買い、それぞれを細かくわけて証券化。証券にはリスクが低いものがわかるようランク付けができるようになっており、信頼を得るために機関に格付けをしてもらいます。そうして投資家は安心してその証券を購入します。

    しかし、リスクの高い商品はやはり売れ残ってしまいますよね。そのときに、サブプライムローンはほかの複数の商品と一緒にパックで証券化されます。リスクの低いものと高いものを一緒にして平均することで、高い格付けがつくようになり、の格付けを信用してまた証券が売れていきます。中身に何が入っているかもよくわからず、「格付けが上だから!」という理由で……。

    世界的なカネ余りのため、この証券は多くの機関に買われていきました。しかし、2006年住宅の価格は頭打ちとなり、金利は上昇。ローン返済が厳しくなってきたところで問題が起こりました。

    リーマン・ショックの原因になったサブプライムローン

    さて、住宅の価格がそれ以上上がらなくなり、金利が上昇して、低所得者の人々はローンを返すことが難しくなってきました。ローンが払えない、差し押さえなどの問題が徐々に顕在化してきたのです。

    リスクが分散化され、様々な商品に組み込まれていたサブプライムローンは多くの影響を与えました。中には、サブプライムローンが含まれていると明示されていなかった商品もあり、格付けのみを信用していたのが仇となっていきます。

    2007年、多くの格付け機関がサブプライムローンの格付けを引き下げました。それによって、今まで格付けの高かった商品も評価が落ち、価格は下がり、さらに売ってしまいたい保有者も格付けが下がったことにより買い手がつかず…という最悪の状況に陥ったのです。

    このころ、サブプライムローンを提供するニューセンチュリー・ファイナンシャルや、投資会社のベアー・スターンズが次々に破綻。サブプライム問題に気が付き始めた投資家が資金を回収し始めたのです。

    そして最終的に、サブプライムローン引き受けの大手だった証券会社リーマン・ブラザーズはこういった影響を大きく受けることになります。多くの金融機関は、取引後の利益を見込んで自分の持っている資金より何十倍ものお金を使って(=レバレッジをかけて)取引をしていました。そのために被る被害額も、自身の資金よりかなり大きい額になってしまいました。

    リーマン・ブラザーズの負債総額はなんと6130億ドル、日本円にして約60兆円もの金額です。負債が大きすぎて、どこも引き受ける買収先もありませんでした。アメリカ政府ですら救済を見送ってしまったのです。当社の人々は職を失い、株の価値もなくなり、そこの金融商品もなんの価値もなくなってしまいました。

    そうなると、この会社に投資したり貸付していたりしていた金融機関も同様に大きな損害を被ることになります。こうして、2010年までに300行以上の銀行が倒産しました。もちろん、そこに融資を受けていた会社も多く倒産したことでしょう。

    こういった連鎖倒産により、アメリカの経済は大混乱。大国のアメリカ経済が低迷したことで、各国に影響が広がりました。これがリーマン・ショックによる世界金融危機です。要因はいくつもありますが、住宅バブルの末に開発されたサブプライムローンの見通しの甘さもその一つだったのではないでしょうか。

    まとめ

    低所得者向けに作られたサブプライムローンは、どちらかというと救済ではなく投資家が利益を得るための商品でした。ローンを証券化し、新たなパッケージを作っていきましたが、住宅バブルの終了、それに伴う不良債権化など、商品を作った側も購入した側も、見通しの甘さが目立ち少しのほころびから一気に破綻していきました。

    格付けのみを信用し、中身の検討を行わなかった投資家や銀行はリーマン・ショックにより次々と倒産。格付け神話も崩壊していきました。低所得者向けローンは必要なものではありますが、それによって大きく儲けることは難しいのかもしれません。金融商品を購入する際は、格付けのみならず中身や投資する先をよく見極めることが重要です。

     

    この記事を書いた人
    投資メディア編集部
    投資メディア編集部

    日本人の投資を真剣に考えるメディア編集部スタッフ(一般社団法人日本社会投資家協会所属)です。
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