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  • TOBとは?もし保有株がTOBされたらどうすればいいか

    2019/02/20  マネーリテラシー

    株式投資をしていて「TOB」という用語を聞いたことがないでしょうか?主に買収の場面で出てくる用語ですが、自分の持っている株がTOBされる場合、ちょっとした注意が必要です。ここでは、TOBが何か、また自分の保有株がTOBされた場合について解説していきます。

    TOBとは?株式公開買い付けとはどういうことか

    TOBとはtake-over-bid、「株式公開買い付け」のことを指します。普段株を購入するときは、市場が取引を行っている間に自由に売り買いできますよね。しかし、この株式公開買い付けは上場企業の発行株券をあらかじめ「この期間に」「これだけの数を」「この価格で」買い付けますよと予告して購入します。主に経営の実権を握ろうとする、または買収する場合に行われる施策です。

    なぜこのようなことが行われるのでしょうか。それは、所有の株数によって絶大な権力を持つことになるからです。発行株式の33%以上所有しているものは重要な決定事項を拒否でき、50%なら役員の選出を、66%以上なら会社を売却してしまうことも可能になります。会社の株を購入することによって、会社の権利を得るということですね。そういった場合、少しずつ購入していくというのは効率が悪すぎます。そこで、TOBであれば多くの株を一気に手にできるというわけです。

    TOBのそれぞれのメリット・デメリット

    TOBにはそれぞれメリット・デメリットがあります。まずTOBをする側のメリットは、通常の株式購入と違い時間や金額のめどが立ちやすいということです。先ほども言ったように、通常株式を大量に購入するには時間もかかりますし、最終的にいくらかかるかわかりません。しかし、TOBなら計画的に購入でき、これからの予定が立ちやすいのです。株が一定数集まらなければ期間を延長でき、TOB自体をキャンセルすることも可能です。

    また、現在TOBされる側の会社の株を持っている株主のメリットは短期間で通常より大きいリターンを得られるということです。TOBの場合スムーズに大量購入を実現するため、通常の市場価格より金額を上乗せされたプレミア価格で取引されます。もちろん、保有したままでもOKですし、リターンを見て売買するのもいいでしょう。

    ただし、もしTOBされる側の会社が買収されたくないと思っていた場合はどうでしょうか。その場合は様々な防衛策を取る場合があります。TOBのデメリットはここです。TOBには「友好的TOB」と「敵対的TOB」があり、「友好的」ならばあらかじめ両者間で話が通っておりスムーズにいきますが、「敵対的」であれば様々な防衛策を取られることになります。

    また、一般株主としてのTOBで起こりうるデメリットとして、例えば株式の買い付けが「すべて買い付け」でなく「一部買い付け」だった場合、プレミア価格に惹かれて応募が殺到し、抽選に外れて株式が下落して損をする…ということもありえます。TOBの場合は、買い付けが「全株式」か「一部株式」かきちんとチェックしておきましょう。

    敵対的TOBとは

    さて、先ほども出てきた「友好的TOB」と「敵対的TOB」についてお話します。友好的TOBは意味通り、買収する側される側に同意があり、話の通った状態で行われるTOBです。適正な売却価格を吟味し、合併などでよく使われる方法です。多くの場合、買収された後でも経営陣が残ることが多いです。しかし、友好的であるが故に買い付け価格は株主にとって不満が残ることが多いようです。

    そして、敵対的TOBとは「株式を購入する側」の一方的な買収です。この場合、経営陣はなんとか買収されまいと様々な対策を講じます。株主に「購入価格が低すぎる」と伝えたり、第三者に株を大量購入してもらってTOBを防ぐ「白馬の騎士」という策をたてたり、そもそもの発行株式を増やしたり(ポイズンピル)…。逆に買収しかえすぞと脅すやり方もあります(パックマン・ディフェンス)。これらの様々な買収対抗策はアメリカで発達しました。日本国内でも敵対的TOBがいくつか行われましたが、こういった対抗策でTOBが防がれた事例も多くあります。

    2005年、ニッポン放送をめぐるフジテレビとライブドアの争いは、最初は経営規模が逆転したニッポン放送とフジテレビのTOBの話でした。しかし、ニッポン放送の株を取得することによってフジテレビを買収しようと画策したライブドアがそこに参入することになったのです。700億を投じた買収騒ぎは毎日のようにニュースになりました。ライブドアはニッポン放送の33%以上の株式を購入して筆頭株主に。しかし、ニッポン放送とフジテレビは策を講じ、新規の株券を大量に発行することでライブドアの持ち株比率を減らして買収を免れたのです。

    保有株がTOBされたらどうする?

    ではもし自分が持っている株がTOBされるときには何に気を付けたらいいでしょうか?一つはさきほどもお伝えしたデメリットの部分です。必ず一部買い付けか全買い付けかをチェックして売却を検討しましょう。
    TOBには「公開買い付け代理人」というポジションがあります。当該TOBの株券の保管・代金の支払い義務は一括してこの代理人(証券会社)が請け負うことになるのです。TOBの売却はこの代理人を必ず通さなければなりません。あなたの保有株式がこの証券会社に預けられているなら問題ありませんが、それ以外の会社であれば株式の移管が必要です。もちろん、移管なら手数料がかかりますのでその金額はチェックしておきましょう。

    その移管が手間だな、と思えば市場で通常通り売却するのも一つの方法です。通常、TOBが公表された場合市場価格もそれに合わせたものになっていきます。手数料や手間を考えて、市場で売却するのもいいでしょう。

    TOB価格に納得がいかない場合、「価格決定の申し立て」という裁判を起こせますがこれは一般的な反応ではありません。わざわざそのためだけに個人が裁判を起こすというのも聞いたことがありませんよね。

    また、TOB後の企業は上場廃止となることがほとんどです。再上場を期待して保有するということもできますが、上場廃止になれば強制的に株は買い取られることになります。上記のような手続きや売買が面倒だ、と思ってしまう方はこの手続きを待ちましょう。この場合手数料などが不要で現金が交付されます。ただし、交付には2~3か月程度時間がかかりますので、この売却益でほかの株を購入予定などがある人には不向きでしょう。

    まとめ

    TOBとは企業の買収や合併などで行われる「株式公開買い付け」です。自分の保有株でなくても、なぜTOBなのか?友好的か敵対的か?などの観点から見ていくと今後の投資のヒントも得られそうです。自分の保有している企業からTOBが発表されたら、まずはよく動向を見極めましょう。価格、期間、そして一部買い取りか全部買い取りか。自分の保有株を売却することになりますので、時期や価格をよくチェックしてください。

    この記事を書いた人
    投資メディア編集部
    投資メディア編集部

    日本人の投資を真剣に考えるメディア編集部スタッフ(一般社団法人日本社会投資家協会所属)です。
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